日本の掃除の起源?
日本で掃除の文化が始まったのはいったいいつ頃なのでしょう?
文献では残ってはいないのですが、約1万6千年前の縄文時代に掃除の文化があったのではないかという証拠が残されています。
縄文時代・弥生時代の竪穴式住居からトイレらしき施設は見つかっておらず、縄文時代の貝塚から便が化石化したものが出土され、生活の場に隣接している貝塚やごみ溜めの付近を、トイレ代わりに使っていたのではないかと推察されるのです。汚物を一か所に集めることで、身の回りの清潔さを確保するという掃除の文化は、1万6千年前から日本にあったのではないかと考えられます。
また、縄文時代の遺跡で、新品・壊れていない土器をまとめて多量廃棄したという痕跡もあるそうで、大掃除の文化が縄文時代からあったのではないかとも考えられています。
また、驚くべきことに縄文人の寿命は3割以上が65才を超え生きていたというデーターもあるそうで、長生きだったことが証明されています。この時の住まいである竪穴式住居は、通常でも湿度が90%で柱の木などもすぐ腐ってしまうほどだったそうです。高温多湿の日本において、このような不衛生な竪穴式住居にて長生きができたのは、身の回りをキレイに衛生的に保つために掃除をしていたのではないでしょうか。
同じころの世界の様子は?
古代エジプト人は非常に衛生意識が高く、予防医学を重視していたようです。
浴室を備えた住宅に住み、清拭や入浴、口と歯を磨く、食事前の手洗い、髪と爪を整える(整容)、頻繁に着替えるなどの「健康を維持する生活習慣」が、宗教的戒律として定められていました。
同じ時代にあって、ここまで衛生や健康の意識が高い国も他には見当たらないのではないでしょうか。
また、古代文明では下水道が完備されており、公衆衛生に関しての意識も高かったことがうかがえます。
ただしこのような生活ができたのは、1割の裕福層のみ。
その他の民衆は、満足な栄養を与えられずに体を異常なほど酷使していた可能性が考えられています。
興味深い古代の清掃
文献もなく、資料も少ない古代文明の清掃。未知の世界は興味深く知りたくなりますね。少しずつ詳しく調べながら、色々と皆様にお伝えできればと思っております。
次週は、奈良時代の清掃について掘り下げたいと思います♪