箒が清掃の道具として使われる
今では当たり前のように掃除のときに使われる箒。この箒が掃除に使う割れるようになったのは、室町時代と言われています。
もともとは、棒に木の枝を束ね、神と祀る神具として使われていたのですが、室町時代に入り商業が発達すると出現した『ほうき売り』と呼ばれる掃除道具販売業者が改良し、一般家庭の掃除用としての箒ができたのです。素材は主に竹だったそうですので、竹箒は700年弱使われてきたことになります。
神が宿る箒
室町時代は、日本で最初の大量生産・大量消費の時代であったともいわれています。この時代に完成した物語『付喪神絵巻』には、作られてから100年を経過した道具は「付喪神」の魂が宿り人を困らせるため、年の瀬のすす払いの際に古い道具も廃棄したとの記述があります。
また、もともと神を祀る神具であったことからも、箒には神様が宿ると信じられていました。こちらは縁起の良いものとしての箒になり、地域によっては妊娠をした際に、お腹を箒でなでると安産になるという迷信もあるそうです。
手持ち雑巾が使われるように
寝殿造りが主であった鎌倉時代には、棒の先に布を取り付けた棒雑巾が主流でしたが、室町時代の後期に書院造りの建築様式が主流になると、襖や障子で部屋が仕切られ、板敷きから畳敷きに変わり、棚などの造作物も加わったことで、棒雑巾では掃除がしづらくなりました。そこで登場したのが、細かい作業を可能にする手持ちの雑巾です。
現代の掃除の基本は、室町時代にできたともいえそうですね。
そして戦国時代へ
1573年、織田信長が足利義昭を河内へ追放し、室町幕府が崩壊します。そして時代は戦国の世になっていくわけですね。戦国時代は戦のあとの戦場の掃除など、特殊な一面がありとても興味深い時代です。来週をお楽しみに。
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