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カンリトウツクシサ

皆さんこんにちは!
関東甲信はいよいよ梅雨入りしましたね!
雨の日は苦手なのですが、
梅雨時期だからこそみられる美しい景色は毎年の楽しみでもあります。

さて、今日は管理することで生まれる美しさの話です。

質問です

皆さんは、
「新しい建物と歴史のある建物」
どちらが好きですか?
そんなのは時と場合によるよ!
という答えが多そうですね。

では、
「キレイな建物と汚れた建物」
はどちらが好きですか?
これはきっと、
キレイな建物
という答えが多いかと思います。

キレイ
という言葉が何を意味するかの定義は長くなりそうなので、
また後日にしますが、
基本的に新築の建物はキレイですよね。

となると、汚れた建物というのは時間が経過した建物と考えるのが
一番想像しやすいかと思います。

そこで今日は、新築ではない時間が経過した建物の美観について考えていきたいと思います。

時間が経過すると起こること

管理をせずに放置した建物に起こることを少し考えてみましょう

まずは、
ホコリがたまりますよね。
因みに衣類として麻が主流であった頃は埃は少なかったそうです。
これが木綿が主流になってから、
ホコリとの戦いが始まったと、民俗学者である柳田国男氏も言っています。

次に、
油汚れや石鹼カス、糞尿の飛び散りなど
生活に伴う汚れがついて、見た目だけでなく臭いの問題も発生します。

その他、コケやカビなど根深い汚れも
管理をしていない建物には発生する事は
容易に想像できるかと思います。

当たり前ですが、建物を管理しないと
建物内外の環境が汚染され、住むことができなくなってしまうのです。
また、建物自体の耐久性も著しく落ちるため、
安全性はもちろん価値自体も失ってしまう危険性があるのです。

1300年の法隆寺 vs 新築の法隆寺

管理された建物。
例えば、法隆寺なんてどうでしょうか?

法隆寺は世界最古の木造建築であり1300年以上も建材する
日本が誇る建築物ですね。
そして今もなおその美しさを保っています。

では、
今ある法隆寺の横に、新築で全く同じ法隆寺を建てたとしましょう。
想像してくださいね!

質問①
1300年の法隆寺と新築の法隆寺、
どちらがキレイですか?

質問②
1300年の法隆寺と新築の法隆寺、
どちらが美しいですか?

①の質問は、新築法隆寺の方に軍配が上がるのではないか
と思います。(アンケートとれてなくてごめんなさい)

しかし、
②の美しさに関しては、1300年法隆寺の方が軍配が上がると
思うのですがいかがでしょうか?

ちなみに、1300年管理していなかった法隆寺を想像したら、
質問①でも質問②でも完敗となることは
容易に想像できますね。
そもそも管理がなければ1300年以上も保存できません。

つまり、建物の存在が時間とともにあるのであれば
時間とともに生じる
キレイ⇒汚れる
というこの汚れをきちんと管理し
キレイな状態を保つことが大切であり、
このキレイな状態管理を永続的に続けていくことにより、

「美しさ」

が生まれるのだと僕は考えています。

それでもモノはどんなモノであっても
経年変化が発生します。
この経年変化も管理するからこそ美しさに代わるのであって、
放置された経年変化はただの汚れとなってしまうのです。

管理することで生まれる美しさ

すでに書いたように、
管理することは維持する事だけでなく、
美しさを生むものである
と僕は考えています。

例えば一枚の戸板が修繕されたときに現れる、
「更新による美しさ」
は新品には生み出せません。

ダメになった戸板を1枚だけ交換したときに生まれるコントラスト。
周囲の連続性から切り離され1枚だけ新しい戸板になった時、
そこには新しい戸板と古い戸板の色の違いによるコントラストが生まれます。

古くてただボロボロの戸板が連続していた時、
そのコントラストは美しさに繋がらずに
だだ機能を失ったものの交換
と認識されることでしょう。

しかし、管理しながら古くなっていった戸板を交換した時、
新しい戸板と古い戸板とのコントラストは美しさに変わり、
清々しい気持ちをも得ることができるのです。

廃棄と購入の連続である新品世界にはない
価値が管理することで生まれ
その価値が、エコな循環型社会を生み出す力となるのです。

管理はモノだけでなく社会の美しさの根源であるともいえるのではないでしょうか。

最後に

先日、人生で初めて法隆寺を訪問しました。
とにかく壮大で美しかったです。
見るもの触れるものが1300年以上もここにあるのかと思うと
言葉にならない感動があり
また1300年以上管理してきた方々に感謝の気持ちで
胸が張り裂けそうでした。

私たちは建物を管理をするプロです。
法隆寺を守ってきたのも私たちのような
管理のプロです。

管理のプロである私たちが、
キレイであることの本質や
管理する事の意味を
しっかりと胸に刻み、誇りをもって仕事をしなければなりません。

清掃というツールを通じて、
一人でも多くの方に美しさをお届けできるよう
これからも頑張っていきたいと思います。

いつも応援ありがとうございます!!

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