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ゴミだらけのパリ

フランスの年金制度改革案に対する抗議の一環として、ごみ回収業者が行っているストライキにより、パリ市内では未回収のごみが推計1万トンに達したそうです。
参照:https://www.afpbb.com/articles/-/3456223?pno=5&pid=25478214

その影響でネズミが増殖し健康被害も懸念されており、大きな問題となっています。

不自由なく過ごしている日常。そのあたりまえのように過ごしている日常を支えているものが一体何かを考えたことはありますでしょうか。
何気なく過ごしている日常の多くは、意識しなければ見えてこない社会活動によって支えられています。パリのゴミ問題のように今まであたりまえに回収されていたゴミが、ある日突然回収されなくなった時、今まで見えてこなかった非日常が顕在化するのです。人々にとってあたりまえの日常を陰で支えてきた社会活動。その一端として、弊社のような清掃会社がそれを担っています。そして、このニュースから考察するに我々の仕事は、街や建築物などをキレイにすることはもちろんのこと、日常から排出されたものを分解し循環させるという大きな役割を担っていることがわかります。
土壌や海洋でおこる生命の活動過程に終止符を打った死骸が、無数の微生物や昆虫、海中生物の餌となり、分解され別の生物の養分を生み出されるサイクルのように、我々も日常を循環させているのです。
また、土壌や海洋で起こる分解と同様、我々の仕事も人々の目に触れないところ、もしくは視界には入るが意識には入り込まない部分で活動しています。

そして、何かの事情で分解が止まり、それによる問題が顕在化した時に初めて視界から意識へと入り込み、その時には今回のパリのように大きな問題となっていることが多いのです。

何を大げさなことを言っているのだと思った方もいるかと思うのですが、これは日々の生活においてもいえることで、決して他人ごとでも対岸の火事でもないと私は考えます。
こと日本においては、清潔に関する水準は高く、キレイであることは当たり前になっており、キレイであることを意識することは少ないのではないでしょうか。つまり、キレイであることは評価「0」であって加点されるものではないのです。
例えば、レストランに食事に行ったときのことを想像してみてください。
お店がキレイであることは料理の味をよりおいしくするスパイスにはなりませんが、汚れに気が付くと味が半減するような感覚に陥る可能性はありますよね。お店が古びて汚いことをブランドとしている店であってもゴキブリなどの害虫が出ると美味しさに変化がうまれるはずです。これは料理やサービスのパフォーマンスからお店の美観に関する欠陥を引いたものが、お客さんの感じる味やサービス満足度に影響することを意味します。つまり最高の料理やサービスを提供する技術を持っていても、キレイでなければその技術を正しく評価してもらえなくなるのです。

家庭においても、部屋が汚れている時は家庭内で誰かひとりもしくは複数人が心に余裕が持てていない状態となっていることが多いのではないでしょうか。心のバランスを崩していることが、部屋が片付かないという現象として顕在化するといった経験は多くの方がお持ちかと思います。

このように掃除をするということは、単にキレイにするだけでなく様々な効果があり、日常生活を平和に健康的に保つための大きな役割を担っています。

そして、そのような仕事にプロとして従事している私たちが、もっと胸を張って働ける会社を創っていきたいと強く思うとともに、目に見えない部分にこそ社会を支える大きな基盤があり、それを意識することがコミュニティや地域、世界の平和に繋がるということを伝えていくのも我々だからこそできる大切な役割であると私は考えております。

より多くの人に、心と環境が整う生活を提供できるよう尽力いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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